977日目 手渡し

 

前を歩いていた人がはらりと持ちものを落としたので、拾って声を掛けて手渡す。よい行いをしたという誇らしさよりも、大それたことをした、挙動不審じゃなかったか、という恥ずかしさが募る――。そんな日記を過去に何度も書いていることをフォロワーに指摘されて、どうやら俺はいつも試されているらしくて、と冗談を言って笑ったのが昨日のことだ。

そして今日。薄着が過ぎたので着替えようと家に戻っている最中に、その機会はまた訪れた。

 

春の陽気に包まれて、路肩の車までもが楽しくくつろいでいるように見える。そんな昼下がりの住宅街の通りを、お腹に赤ちゃんを愛おしそうに抱っこしたパパが歩いて来る。心地よい揺れに機嫌よく、赤ちゃんが手足をはたはた動かしている。まさに春めいて平和な一日だ——。穏やかな思いに胸を温めながら、僕はすれ違った。

それから十数メートルのんびり歩いて、ふと前に目をやると、何か小さなオレンジ色の落とし物が目に留まった。たった先ほどのことを思い出し、ひとつの予感が胸をよぎる。心持ちせかせかと近づいていって、しゃがみ込んで拾い上げてみると、それは小さな小さな靴下だった。

予感は予感で、確からしいとは限らない。元気なじたばたの片足が脱げていたかなんて覚えてもいない。けれどもすぐさま、確信めいた最良の選択が浮かんだ。僕は百八十度くるりと向きを変えて足を溜めた。顔を上げるとすれ違ったパパの背中が遠くに見えていた。

あとはもう小走りに駆け出していた。そこに挙動不審だとかいうことはどうでも良かった。

 

わずかの一分後、僕は再び自宅を向いて、何事も無かったかのようにゆらゆらと歩いている。今日ばかりは気恥ずかしさとは無縁の、己の迷いなき判断と献身に誇りを抱きながら。

 

976日目 フォロワー! いつもありがとう!! きりちにっきの「穴」回をご紹介します

 

あざあざ! 今夜はなんと「きりちにっきを語ろう」という会を開いていただいております!

二桁に上るほどのフォロワーさんがお気に入りの回を持ち寄り、感想や背景を語らう楽しいスペース。いやまさか、こんなにも読んでくださっている人がいたのだなあと……!

ということで、本日のスペースで挙がった人気の回をダイジェストでご紹介します。とにかく数が多すぎるので、なかなか振り返る機会がないような、盲点とも言える回をピックアップ。いつか死ぬほど暇なときに、時間つぶしのお供になれたら幸いです。

 

行くぞ!

 

旅好きなフォロワーさんたちとエンカした回。強く印象に残ったみたいで、現地人としては嬉しかったですね。

これらは私の方から会いに行った回。思い出を写真に残すのって大事です。

 

ブラタモリ的なノリが私の根底にあります。後にも先にもない、まあまあ面白い分析ができた回。

 

ツウな読者の手にかかれば、こういう一見スカスカな回も「こいつ今日家で焼き鳥作って食ったんだろ」と予想しながらスルメ的に楽しむことができるそう。

 

 

飯つくる系の記事は基礎中の基礎なのかも。

 

言語センスのルーツが味わえるらしい。読んでみれば確かに……?

 

あるフォロワー曰く「最強」の回。

酔いながらテキトーに書いているのに、しっかり韻文のニュアンスがある「ふわムチ体型の向こうに税務局員が立っている」。「風呂上がり、めちゃくちゃ薄着のときに感じる毛布の感覚にキミは子猫キャット丸(船の名前)←?」。文章とかリズムのクセみたいなのを完全に把握されているみたいです。

そこまで読まれてるのか。じゃあ、ハズしてぇな~~~~~~~~~~~~~~。パターンをよ。

 

 

大人しく思考を巡らせる回。これ系の回は、ダイジェストでは映えないのでそのまま忘れがちだけれど、ある意味では最も素直な日記の形だと思う。こんなことを考えていたなって、過去の自分を忘れないように。

 

日常を淡々と書きつつ、なんか上手い感じに構成できた回。良さげだったのか、はてなブログ公式に取り上げていただきました。

 

ゲームレビューをよく書きますが、こういう「ゲームを元に思考を巡らせた」みたいな回が意外とウケているようで。やっぱゲームは共通言語かもね。

 

ちょうどいい「イヤさ」を突いていて、読者は思わず感動したらしい。感動すんなこんなもん

 

すこ。

 

意外にもめっちゃウケていた。ただの街並みを特殊な視点で再検証するってのァやっぱり新鮮みたいだなァ。

 

きりちにっきに欠かせない存在・デジたんとの最初の出会い。

これぐらいテンションブチアゲで書かないとガチャ爆死に耐えられない

以降ずっと擦ってます

 

ちゃんと解読してくれた人曰く「クソ回」

 

題がフェイクすぎる

これも草

 

本当にめちゃくちゃ笑いながら書いた

 

いやほんと、マジでありがたいですよね。比較的昔の些細な回すら、こんなに覚えていてもらえるなんて。

中にはこれからさらに過去回を総ざらいしてくれる予定のフォロワーさんもいるそうです。助かるなあ。

これからもコンスタントに書いていきたい。ええ、書いていきますとも。そんでそのうち、できれば形にも残したい。そのときはまた、皆さんに意見を募るかもしれません。どうぞ末永く、よろしくお願いします!

 

あっ、もうひとつオススメが送られてきた。

 

 

975日目 コンテンツの話でもしようやね。

 

最近の個人的なコンテンツとの触れあいについて書きます。そういう日があってもいい。

 

ブルアカアニメ

長いこと「美少女ソシャゲのアニメ化は中身が散らばって上手くいかない」という信念を持っていたので、このたびアニメ化されたブルアカについてもきっとビミョーなのが来るんだろうなと決めつけていました。けれどもいざ第1話を見てみたら、まあなかなか悪くない。制作側の「アニメ用に本気で再翻訳するんだああああ」という決意が垣間見えるようで、好感触な初回24分でした。

熱意の顕れだと感じた最たるポイントが、黒見セリカの芸人化です。一般的なソシャゲの例に漏れず、ブルアカのキャラは右も左もピシッと立ち絵の決まった美人さん揃い。けれどもアニメに面白さと勢いを付加するには、振り切った顔芸ができるムードメーカーが居てほしいもの。そこで、ゲーム版で相対的にツッコミやキレ芸を担っていたセリカ――もちろん基本的にはド美人です——を大胆に抜擢し、顔面からオーバーリアクションで盛り上げるおバカ枠として再解釈したのです。

左:ゲーム版 右:アニメ版(芸人化)

これには正直感銘を受けました。というのも、美少女ソシャゲにおける推し選択の最重要事項はファン各々の癖(ヘキ)ですので(持論)、数多いる生徒の中でもセリカに胸を射抜かれた先生たちというのは当然、彼女の「王道ツンデレ枠」「抜群に整った顔面」「引き締まった煽情的なプロポーション」という部分に期待を寄せています。そこをぶっちぎって「おもしろちゃん」に走らせるというのはなかなか勇気のいる判断でしょう――しかし、ブルアカアニメは派手にやった。ファン層のコアたるワイワイ雑食男子オタクたちの寛容さを信じ、なんで私が!と顔を赤くするセリカに頭を下げて、一世一代のおもしれー女を演じてもらったわけです。で、実際のところ私を初めとするセリカファンは大ウケしている。そういうところがすごくて、これはちゃんとアニメとして成功させるために工夫してるな、という好印象に繋がるわけですね。

この先どういう展開になっていくのか、ゲーム版のどの部分までを拾うのか、言うて「傑作」というほど面白いわけではないので次回以降大丈夫なのか……とまあ気になることはいろいろあるわけですが、とりあえず今の視聴者の総意としては「でもかわいいならOKです!」。シンプルにこれでしょう。これからしばらく、日曜の夜は夜更かしがマストになりそうです。

 

ペルソナ

んにゃ~~~~~。最新のペルソナリロードも美麗でカッケくて大好きだけど、やっぱり4年前にプレイしたペルソナロイヤルのスタイリッシュさを思い出すと鳥肌立っちゃうな~~~。

ちょっとすみませんが、戦闘演出の動画を2つ貼るのでどうか観てもらえませんか。ちょうど見てほしいあたりから始まるようにしてあるので、どちらも30秒ずつほど、どうか。

ひとつめはペルソナの方。スキル→総攻撃、の流れ。

www.youtube.com

もうひとつはの方で、こちらも総攻撃までの流れです。

youtu.be

どうでしょうか。グラフィックの高精細さや落ち着いたクールな雰囲気づくりは3に軍配が上がると思います。けれども私は、一見すると粗く見える5の戦闘演出の方に、どうしてか血が沸騰するような興奮、眩暈がするほどの高揚を覚えるんですよね。

私見ですが、後者の5にあって前者の3には無いもの、それは「メリハリ」だと思います。具体的には例えば、戦闘中のアドレナリンドバドバな状態を追体験させる画面揺れやUIの揺れ。それから総攻撃の一連の流れにおいては、銃を突きつける→バックステップ→視点が切り替わって勢いよくジャンプ→鮮烈な滅多打ち→華麗なフィニッシュ、という動作の中で徹底される「カートゥーンのように極端で非現実的な加速」というべきもの。パリッ、パリッとした派手で素早い動きが、赤と黒を基調とする攻撃的なデザインと相まって、プレイヤーの脳の深いところを電子ドラッグのように殴ってくる。

分かりやすい比較として、3の総攻撃をご覧ください。仲間たちが一斉に走って行くその速度は至極現実的な程度。なんというか「もたもた」感があるのは否めない。忠実なリメイク作であるからこその、大胆に振り切っていない上品な演出、というべきかもしれません。となると「最高にキマってるタイトルをひとつだけ選べ!」と言われたら、私にとってはやっぱり5の方になるんだなあ。

 

な。早く4もリメイクしてくれや。あと、秋だかいつだかに発売される完全新作の「メタファー:リファンタジオ」も結構楽しみにしてんだから。

開発会社のアトラスには期待しています。ちょっと宣伝・広告がやかましいきらいがあるから、たまに見る程度の距離を置いてはいるんだけども。もっともっとギャンギャンのウィーウィーな、私にとっての動かぬ三大神ゲーたる「ペルソナ5」「ニーアオートマタ」「ゴーストオブツシマ」の一角を脅かすような、そんな神作で私の脳をシェイクしに来てくれることを望みます。

 

974日目 ねばねばNever Midnight

 

雑な日記とか絵とかを生産する趣味がある人なら分かると思うのですが、一定の脱力した状態から自然と口をついて出てくるようなタイトルってあると思います。そりゃ、写真とかバチバチに載せて長文も書いて、気合いが入りまくってるときは、目を惹きそうなタイトルをじっくり考えたりもしますよ。けれども、大してこだわりもやる気もないような夜に、どんなタイトルを付けがちか? そこにこそ、その人の快適な言語感覚が分かりやすく透けるんじゃないかと。

私の場合、例えばこんな言葉選びが記憶に残っていますね。

愛と健康、オモチャベリ

デスクトップカタストロフ

ほわほわ飽和するホワイト・ナイト・アウト

ウォーターマリンサブフロント

てくてく歩きマンの歌 

ほよよTown Night

まず、カタカナ語が好きなのかな。それは合成語であれ非実在語であれ、特定の明らかな文脈を持たないテキトーな組み合わせほど気が楽で、よく肌に馴染む。

それでいて、前後のつっかかりがない自然なポップさがあると、耳に心地良い。つまりはなんとなく、手を叩いて拍子を取りながら口に出せるような、一定のリズム感(あるいは押韻)の中に生きている顕れなのかしら。

 

ところで、日記足掛け三年弱、一度たりともタイトルを被らせないように毎日どこか突飛な発想から言葉を選んできたつもりでしたが、よくよく見返すと完全一致している回があることに気がつきました。

695日目 ノマニマン

955日目 ノマニマン

なんで ノマニマン で被るんだよ。

 

そういえばありがたいことに、フォロワー有志できりちにっきの振り返りトークをやろうという流れがあるみたいで。

こちとら趣味ののろのろ運転で、いつもは大体2、3いいね。5いいねを超えれば御の字、というスケール感ですので、正直なところ「読まれている」という意識は薄く、片手の指くらいの人数に暇つぶしを提供しているくらいの雑な気分でやっています。

けれども、珍しく会ったフォロワーから「7割くらいは読んでる」と言ってもらえたり、ピンポイントで誰かに刺さった=その人にいつもチェックされている、ということに気づいたりして、どうやら案外と人の目に触れているみたいなんですね。怖い ありがたいことです。なんだ、そうならもっとリアクションくれればいいのに……と半ば冗談ながら思っていたときに、ファンの会を開こうという文面が流れてきて、めちゃ面白そうじゃんと。

こういうのは書き手本人がぐいぐい介入したって白けるばかりなので、なんとなく聞きに行くぞ~的な感じで肩肘張らずに待っていればいいんですかね。およそ1000日ほど書いてきた中の一体どの回が皆さんの食卓のささやかなスパイスになったのか。ちょっと笑っちゃうかもしれませんね。ちゃんと誰かが読んでくれているんだと。

まあどういう形であれ、あっても無くてもいいんですが、会が開かれるならぜひ耳をそばだてに行こうと思っています。楽しみです。

 

973日目 ごっこよ、ごっこ

 

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イキれるうちにイキっとこうぜ〜、みたいな話を上から目線でやった。

すまんなあ。中身が伴わなくてな。どの口が、ってまさにこのことだろう。

まあでも、どのみち本物にはなれない以上、たとえ「ごっこ」でも実行に移しただけまあまあ偉いのだ。

俺も自分のことイテテ……学生6年目にもなって……と思いつつ、まあ尻込みするよりはやっといたほうがいいかな、と思うのだ。コスっぽい服で出かけたりとか。いいよ、ごっこで。

大学での友達づくりは上手くいかなかったし、(ご時世で仕方なかったとはいえ)サークルとかも入らず引きこもってたぶん、今になって新入生の元気な姿にコンプレックスを覚えてはいるけど……。

俺なりにはやってきて、その結果たる今の毎日に

もう電車着くねんな。

新社会人の皆さんお疲れさまです。タイムラインが「春から〇〇大」で埋まらず、代わりに「ブラック企業」で埋まってます。俺もそろそろそういう年齢だなと。

オッペケペーwwwwwwww

肌色〜 小麦色〜

無限のるるん😀😀😀😀😀😀😀

明日こそ研究を進めよう。の、段

忘れないでください。密やかにあなたの背中を見つめている人がいることを。

充電マンwwwwwwwww

罪ばかり

 

 

 

 

 

😪sca

 

972日目 チームアホカ

 

あ~~マジで日記のネタ無い

なんかネタくれ

はい!!!!!!!!!!!!!!!↓↓↓↓

 

synt4x.org

 

ほ~ん

「この講座はアリカの『テトリス・ザ・グランドマスター(TGM)』『テトリス・ジ・アブソリュート・ザ・グランドマスター2・プラス(TAP)』『テトリス・ザ・グランドマスター3・テラー・インスティンクト(Ti)』を対象としています」

そっか。

 

 

なんか日記のネタくれ

新卒一年目のボーナスで買いたいもの

パソコン

トルソー

なぜ……

 

                    ~終~