実は、次の有名な構文が世に産み落とされてからちょうど一年ぐらいが経ったらしい。
「もうパターン化された"エモ"気持ち悪すぎるんだよ、純喫茶でクリームソーダ、フィルムカメラで街を撮る、薄暗い夜明け、自堕落な生活、アルコール、古着屋、名画座、ミニシアター、硬いプリン、もう全部飽きた 面白くない」
はは~ん。言わんとすることがよく分かる。いわゆる「退廃的」な若者(なんとなくカップルのイメージ)が心酔しがちなセピアがかったモノやコトに対する、自虐と皮肉が綯い交ぜになったため息。「アイツのことだな」とも思うし「部分的に俺にも当てはまるな」とも思う、絶妙な塩梅の構文だ。
一方で、昨日こんな改変版がバズっていた。
「もうパターン化された"エモ"気持ち悪すぎるんだよ、朝見える月、民泊の別館、順路がない動物園、海も説明に使われている手描きの地図、銭湯のお座敷で見る台風の予報、2月の上旬、バスで帰る友達、羽虫が挟まっている古本」
挙げられているものは元の構文と丸っきり違う。けれども、じっくり読んでみるとなかなかどうして「エモい」ように思えてくる。「銭湯のお座敷で見る台風の予報」なんて、なんだかとってもささやかに心の琴線に触れる。それでいて、これらはまだパターン化されていない。意表を突いた改変だ。なんというか「詩」っぽさがある。けれども、じっくり読めば大したことはない気がしてくる。なんだろう、このちょうど良さ。
「じゃあさ」。俺は考えた。「どんなモノ・コトでもエモく聞こえうるんじゃないか」。
ということで、いつもお世話になっているフリー写真素材サイト「ぱくたそ」のランダムガチャ機能と一緒に、新しいバージョンの改変を考えてみた。
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もうパターン化された"エモ"気持ち悪すぎるんだよ、