371日目 奥さん! 時代はノンストレスゲームですよ!!

 

これからはノンストレスゲームの時代です!!

 

……いや、主語がデカすぎるな(主語どれ?)。

 

 

急に何が言いたくなったのかというとですね。「いらん手間が省かれたゲームは快適だよね!」という話です。

いらん手間というのを具体的に言うと、

・別に楽しくない作業の反復を強制される

・実質的に一択しかない選択をわざわざ入力させる

といったもののことですね。詳細例は後述します。

 

近頃のゲームは、こういったストレスをとにかく排除して、純粋に面白い部分だけをお出ししようという姿勢が顕著です。

もちろん、そういう手間が好きな人に向けたゲームというのも、いろいろ作られてはいるんですよ。しかし、例えば二十数年続いているようなロングランシリーズの、初期の作品と最新作とを比較してみると、どれもこれもゲームプレイの円滑化に注力してきていることが見て取れるんですよね。やはり、全体の傾向としては「時代はノンストレス!」で間違いないと思います。

 

 

さて、ここからは実際のゲームにおける「いらん手間」の例を出していきます! どんくらい共感してもらえるかな! こわ!

 

・アクションを起こすときに、使う道具をいちいち選ばせる(RPG

はい! まずはこれです。

ドアの前で決定を押すと「カギがかかっている」と出るので、一旦インベントリを開いて、カギを選択して「使う」にして、インベントリを閉じてから再度ドアにインタラクトする必要があるやつ。

これさ、プレイヤーの行動としては、カギを持ってないなら「何も起きない」一択だし、持ってるなら「カギを開ける」一択になりますよね? そんなら、わざわざ道具袋を開けさせるべき理由がないじゃない。「カギがかかっている」か「カギがかかっている。カギを開けた」のいずれかを即座に表示してくれれば、だいぶスムーズに遊べる。

……と言うと「カギ以外のチョイスがあるかもしれないだろ!」という話になってくるわけですが、そんならせめて「カギがかかっている。どれを使いますか?」って自動的に選択肢が出現する方式にしてちょうだいよ。いちいち「あっ、道具選んでなかったわ」っててへぺろするのがメンドくさいのよ。

 

(ツクール系をイメージしながら書いたけど、もしかしたらツクール系はそういう仕様にならざるを得ないシステムなのかもしれんな)

 

・レベリング必須のゲームバランス(RPG

これね、これ。

先に言っておくと、最近遊んだ比較的新しいRPGペルソナ5ドラクエ11ほか)はいずれも、旧作に比べてレベリングの手間が少なく、というかほぼレベリング不要のバランスに調整されていました。つまり「レベリングは別に面白くない」というのが、ゲーム業界が導き出した総意のようです。

レベリング、ねえ。これは俺が極端な努力嫌いだからというのもあるかもしれないけど、地道な積み重ねって別にワクワクはしないと思うんですよね。達成感に繋がるという考えは分からなくもないけど、だからって「フハハハハ! わしに挑みたければ何十分か雑魚狩りしてこい!」みたいなボスがゲームの面白みを増してくれているかというと、普通にメンドくさいだけじゃんね。レベル上げてワンパンしたところで「ほな次行こか」ってなるだけだし。

そもそも、昔のゲームがレベリングの手間を挟みがちなのは、プレイ時間を稼いで大作っぽくするためだったと聞いたことがあります。今のゲームは容量も多いし、演出力も高まっているので、わざわざプレイ時間を引き延ばす必要も無くなってきた、というところではないでしょうか。

まあでも、自キャラの地道な成長を見届けたいという人もいますので。ここはひとつ、表ボスまではサクサクバランス、クリア後のエンドコンテンツはレベリング推奨という感じで、どうでしょうか。

 

(ちなみに「成長させる手間=面倒」と一概に決めつけている訳ではありません。成長の過程を新鮮に楽しめるように作られていれば、普通にめっちゃ面白いです。ローグライク系のVampire Survivorsとか)

 

・酸素ゲージ(アクション)

水中や宇宙を舞台にしたアクションゲームの定番要素ですが、これって単なる制約にしかなってないですよね。

リスキーな行動をやり果せたら大きな成果が得られる、みたいな制約なら面白いんですよ。報酬系を刺激してくれるなら、制約なんてどんどんかかって来やがれってな。ですが酸素ゲージの類は、ただただ足枷になるだけの制約です。「普通に探索しまくりたいけど、酸素が無くなるから数十秒に一回スタート地点まで帰らなきゃ」……って、こういうのは別にゲームの面白さには寄与してないと思う。

ん~、ただ残念なことに、近年のリアル志向シムやサバイバルゲームでは、こういった酸素ゲージ系の要素がウリとして搭載されている傾向にあります。つまり、世間的に受け入れられているということですね。ゲームしながら息が詰まるような思いなんてしたくないんだけどな俺は……。

 

・やたら固いという方向に調整された高難易度ボス(アクション)

ゲームをするからには高難易度にチャレンジして気持ちよくなりたいわけですが、難易度の上げ方には好かれるやつと嫌われるやつがあります。

例えば「敵の行動が変わる」タイプの高難易度は本当にゾクゾクしますよね。圧倒的な猛攻を耐え抜いて反撃を食らわせるときの快感はすごい。それから「味方の耐久力が下がり、ゴリ押しで突破できなくなる」タイプも面白い。カウンターとかパリィとかを練習するうちに、チャンバラの気持ちよさの真髄が分かってくるわけです。Ghost of Tsushima がマジでおすすめ。

一方で「やたら敵が固くなる」タイプの高難易度は、正直なところ面白いよりもむしろ腹が立ってきませんか? 特にゲームプレイが変わり映えするわけでもなく、ただただ時間ばかりがかかる。回復スキル持ちとかだと、本当にイライラします。

もはやアクションに限らずRPGとかでも同じですが、シンプルに「固いボスはつまらん」という話ですよね。「なかなか倒せない」ではなく「向こうも必死でこっちを殺しにかかってくる」系のゲームの方が、一触即発・真剣勝負という感じがして好きなのよ。やっぱ Ghost of Tsushima やろうぜ。

 

・条件がぼかされているうえ低確率なレアドロップ(ハクスラ

あ~いや、ごめん。モンハンに喧嘩売ったかもしれん。まあでも聞いてくれや。

レベリングの話題にも共通しますが、結局「何回も同じことをさせられる」のが嫌なんです。とりわけアイテムのドロップ率が低いとかになると、いつまでやらなきゃならんのか分からないので徒労感が凄まじい。ガキの頃だったらまだしも、いろいろタスクとかが気になっちゃう今はね、なかなかハクスラ系は……。

ですから自分が期待するのは、次の2パターンですね。「レアアイテムを確実にドロップするが、倒すことそのものが難しくて楽しい強敵」か「何度も狩る必要があるが、行動やフィールドにバリエーションがあって飽きさせない」か、このどっちか。とにかく新鮮で面白い体験を提供し続けてほしいというのが、切なる願いであります。

 

 

あ~ヤベ。どんだけ並べてんねん。そろそろ締めにしましょうか。

何度も念押しするけど、別に「作業」イコール悪、ってことじゃないのよ! コツコツやっていくことの達成感というのは確かにありますから。でも、面白さに繋がらない「作業感」はイヤだよね、って話。「楽しい手間」はそのままに「いらん手間」の方をなくしていきましょう、ってことですね。

時代と共にゲームのトレンドは移ろい、人々がゲームプレイに求めるものも変わってきています。そういった流れのひとつとして、各社はノンストレス化というものをどんどん押し進めていただきたい。余計な時間や操作といったものを省き、代わりにもっと新鮮かつ食いでのあるプレイタイムを増やす、そういった志向のタイトルがますます増えていってほしいものです。