750日目 途中で急に淫紋を描かれてしまった人の手記

 

23。23て。

 

どこで読んだのか覚えていないが、何かの本に「女の子は23~24歳くらいのときが最も鼻に脂の乗る時期」という記述があった。実感として、人間にとっては23~24歳くらいが(男女を問わず)ちょうど体のピークというか、いわゆる「旬」を迎える頃合いであるように思う。少なくとも、私はそのように認識しながら歳を重ねて来た。

19。まだまだガキ。20。いうてガキのまま。21。そろそろ成人と認めてもいい。22。このへんから、数字が増えて嬉しいと思わなくなる。そんで。

 

23。23か。

 

全然こう、想像していたような「ガクッ」と衰えるような感覚はない。「ここが体力のピークか……」と、悲嘆にくれるような気持ちも特にない。どうも、人体の使用年数が増えるという現象は連続的な変化であり、ある瞬間からウッと絶望に陥るようなことは起きないらしい。意外にも前向きに、人はリスクを感じないまま老化していくことができる。

だからこそ、怖さもある。今年は既に、さまざまの軽い出来事で病院にかかっている。痛い思いもした。悪性ではなかったものの、手術だってあった。そのように、日に日に増えていく大したことのない「異常」の中に、ある日致命的な「異常」が混ざり込むときは必ずやってくる。倒れて死ぬかもしれない。痛みに苦しんで、けれど死ねないかもしれない。

 

23。

 

これからだんだんと、できないことが増えていく、そんな境目の年齢。しかし、衰えていくことを知識としては知っていながらも、未だ現在進行形の実感としてはいまいち湧き上がってこない。それは何故かといえば、まだまだ「これからできることが増えていく」という期待もあるからだ。

思えば私は、大学に入ったばかりのとき、狭苦しい高校時代からの解放を喜ぶと共に、「社会人になることは死ぬことと同じだ」「つまり私は、残り4年の命だ」と諦観を覚えていた。それが今ではどうだろう。あと一年半もすれば私は社会の歯車になっているだろうが、それを決して絶望とは捉えていない。今よりも、お金を使った遊びができるようになる。「社会人」という立場を得て、ようやく自立した人間として自分を肯定することができる。

 

体は弱っていこうとも、頭が鈍っていこうとも。知識と経験は増えていき

ひゃわああっ!?!?!?♡♡♡