416日目 Never Be a Burden

 

基本的に「お荷物になりたくない」という思いがある。お荷物というのは、社会のお荷物ということ。すなわち、親に恩返しもしなければ他人への貢献もしない、役立たずの金食い虫ということだ。

返す義務があるのか否かとか、そういう話ではない。これは俺の良心の問題なのだ。その気になれば「恩返しをせよという法はない」と、強気に出ることだってできるだろう。だが、そうはしない。君がちっぽけなプライドを胸に灯しているならば、きっと同じことを考えるだろう。俺たちはこの身の名誉のためにも、受けた施しをきっちり報いる人間になりたいのだ。

親の支援を受けたり友人の励ましを得たりして、なんとか生きている。なんとか生かしてもらっているくせに、勉学も労働もなあなあの状態で、立派な飯を食ったりゲームに明け暮れたりしているのだ。境遇としては幸せなのだが、激しい自己嫌悪に陥りながら日々を送っている。ああ、なんたる贅沢な悩み! そうと知っているから、ますます自分を責め、そして日が暮れていく。

一刻も早く一人立ちして、精神的・経済的に自立し、恩を返す番になりたい。誰にも迷惑をかけずに生きられるようになったぞと、自惚れたい。俺が「進学より就職の方が自己肯定感が増す」と論じているのは、そんな理由からだ。

……だが、だからといって今すぐ働こうという気にはならないのだから、所詮口先だけのくだらない男だよ。俺はさ。甘ったれの小僧。口を開けたら飯がもらえると思っている、世間知らずの雛鳥。

眠い。眠くなったからもう布団に入る。俺はまだまだガキだ……まだ自分のことを「ガキ」だと堂々と言い切ってしまうくらいには。