あ~~~。ダメだ。
ひとっつも思い浮かぶモンがねえ。
こんばんは。きりちにです。
嘘をつけこの野蛮バカオス野郎が、と中指を立てられるかもしれませんが、実は幼き日のきりちには音楽少年でした。
中学校に上がる歳で辞めてしまいましたが、実に8~9年間ほどピヤノを習っていたのです。まあ、あまり珍しくもありませんが。
ピヤノというのは、一人でメロディと伴奏の両方を演じられる楽しい楽器。自分の手ひとつで曲が成立するので、時には作曲もどきをやって遊ぶこともありました。
そんな少年が初めて電子音楽やボカロに触れたのは、中学2年生の終わり頃。
「こんなにたくさん音のある立派な音楽を、一人で作ることができる時代なんだ!」
承認欲求に突き動かされる厨二少年の発作は、瞬く間に勃発。親はパソコンすら使わせてくれなさそうなので、ディスカウントストアでやっすい中華タブレットを仕入れて、ベッドに隠れていそいそと音楽を作る毎日が始まりました。
……というのは、半分ウソ。少年に、何かを「毎日」作るだなんて根気はありませんでした。
そう。クリエイターになるのに最も重要な「妄信的なストイックさ」が、私にはこれっぽっちも無かったのです。
単純で飽き性な私にとって「継続は力なり」という言葉は、馬の耳に念仏。当時は耳も肥えていなかったので、たま~~にチャチャッとチープな音を鳴らすだけで満足してしまっていたのです。
あれから数年経ち、大学に合格。いよいよ好きなだけパソコンを使えるぞ! ということで、貯めていたおこづかいで立派なDAWを買いましたが、そのときにはもうすっかり作曲の感覚を忘れていました。
そしてさらに数年後の、今の私。十数秒ぶんくらい打ち込んでみたことこそ何度かあるものの、ついぞ2分尺の「楽曲」を作り上げたことはありません。何より、長年のインターネッティング神曲鑑賞で耳が肥えすぎていて、己の拙い指から辛うじて生まれてくる安っぽい音に耐えられないのです。
今日も……数か月ぶりにDAWを起動しました。最近好んで聞いている、合成音声の流行曲に突き動かされて。
ご無沙汰していたソフトが立ち上がります。スタート画面に、前回の波のときに作った短いフレーズが参照されます。果たしてそれは、今の自分にとっては薄っぺらく、そそられるものもないメロディ。
そうして今日も案の定、思い浮かぶのはあの有名な曲のそのままのメロディばかり。オリジナルの世界なんてものがパッと目の前に開けるはずもなく、ぼんやりと悲しみのうちに真っ黒い画面を眺めていたというわけ。
とはいえまだ、さすがに。まだ、ソフトを落とすまでには至らない。もうちょっとは座っていたいと思う。
けれども、二度あることが三度あるなら、十度あったことは十一度あるに違いないわけで。
さて。ここからは日常の発見のコーナーです😁
おしまし。