645日目 じゃあ、聴けばいいんじゃね。最近のボカロを。

 

五月中旬、都内某カラオケ店。2階の角、ひときわ騒がしいブース。

ノリノリな友人たちの歌声に合いの手を入れながら、俺は密かに、心の中で頭を抱えた。

 

(ぜんっぜん知らねぇ……!)

 

どうも、きりちにです。

当方、散歩をするときはストリーミングではなく、Youtubeトークラジオ。作業をするときは流行りのポップスではなく、お気に入りのインスト曲のリピート。

ですので私、世代の音楽的常識にめっぽう疎く、カラオケに行くたびにレパートリーの少なさに悩まされるのであります。

自分では歌わず、周りのチョイスの雰囲気にそれっぽくノり、手を叩く。他人が歌っているのを聞いて、初めて数年前の流行曲に接するということもしばしば。

やあ、困ったね。流行的貧困層だね、これじゃ。

 

じゃあ、聴けばいいんじゃね?

 

……ということで今日は、直近の流行りのボカロ(+合成音声)系ポップスを聴いていきます。

 

 

・強風オールバック

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まずは一番新しいバズソングから。Misskey.io かどっかでウケてた「外出た瞬間 出かけたわ」という進次郎構文ネタの、面白さを理解するために。

 外出た瞬間 終わったわ♪ 👏👏😐

あーーーーー、これが「中毒性」ってやつね。

初見は正直「えっ、いきなり始まるやん」とか「最近の音声ソフトは面白い声なんやな」とか、アッサリした感想を抱いたけれど、気がつけば5回も10回も聴いていた。

 風 強すぎて お亡くなり 👏👏😐

余談だけれど、この「強すぎて お亡くなり」という言葉回しを、友人の一人がマジで気に入っているらしい。そうだろうな、と思う。「〇すぎて〇〇」とか、ちょっとずらした動詞の活用とか、そういうのは我々インターネット猿人類の好物だから。

 

この調子でどんどん聴こう。

少しずつ昔に遡っていきます。

 

 

・匿名M

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実は、この曲だけはたまたま履修してました。オモコロが好きなので、ARuFa がサムネにいる時点でとりあえずクリックはしてみる、と。

感想は以前も書いた気がするので割愛します。「好き~!」というよりは「ほへ~」という感じ。オシャレなのは間違いない。

ピノキオピーが好きな友人曰く「久々にこういう系統の曲を書いてくれて嬉しい」だそうです。逆に言えば、最近のピノキオピーの中では異質ということなのかな。普段はどんな曲を書いてるんだろう。

 

 

・ゾンビ

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 わっはー We're ゾンビ ゾンビ♪

や、申し訳ない。この曲は名前を聞くのも初めてかもしれない。

メロディーラインよりもむしろ、MVの方が鮮烈な印象。サイケな感じがあって、ちょっと酔っちゃった。

ところで、最近のバズ曲って尺が短めなのかね。

 

 

・デビルじゃないもん

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「匿名M」のピノキオピーと「ゾンビ」のDECO*27 の合作曲。このお二方が昨今のボカロ界の大御所という感じなんでしょうか。

 死ーんじゃった♪ 死ーんじゃった♪

のキャッチーさが耳に残る感じ。粒が詰まっているので、音楽ゲームとかに向いてそう。……くらいの、その程度の感触かもしれない。本音を言うと。

まあ、流行った曲ならぜ~んぶハマる、ってことは無いよね。気にしなくていいのよ。

 

 

ほい、ここまでが直近の急上昇曲(Youtube準拠)でした。

こっからも引き続き急上昇曲を見ていきますが、全部見ているとあまりに数が多すぎる。ということで、初見で気に入った曲・気になった曲に限って、ダイジェストでご紹介します。

 

 

・深い森の中で

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お~~~~。これはすごいかも。

ぱっと思いついた同系統の曲が、DEEMOなどのゲームで活躍するMili の「Utopiosphere」。幻想的。重層的。儚い美しさと、表裏一体の不穏さ。妖精に誘われるような歌詞に、直感的に覚える恐怖。

おそらくは、世代のスタンダードというレベルにまで登り詰めたわけではなく、界隈の中での最高瞬間風速がすごかった、そんな感じではないかと。

 

 

・ラヴィ

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「コンパス」というゲームのキャラソンらしい。

まずね、絵柄が好きだわ。サビのラストの「声を頂戴 涙頂戴 ラヴィ ラヴィ ラヴィ」のとこの、牙を見せつけるように口を開けて笑う一枚。なんかこう、あの、ギリギリ踏み越えてはいけないというか。これより先に立ち入ると危ないというような、本能のアラートを発させていただきます。好みだけど、ソワソワするわ。

興味を持って調べたんですが、なんとこのラヴィちゃん(くん?)、メスガキで男の娘で吸血鬼だってよ!! オイオイオイ オイオイオイ オイオイオイオイオイオイオイ。ちゃんと危ういな! ……そう考えると、ボーカルが鏡音レンなのも当然のチョイスということか。

ちなみに、これをカラオケで歌ってくれた人は、ファルセットなイケボの人だったんですよね。ディープで旨味のある男声で歌われると、また別の発見があるというか。異様な空間だったよあれは。

 

 

・みまま

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あ、怖いわ。怖いわね。

でも、こういう気分のときあるよね。年に3回くらい。そういうときに覚えてたら聴くわ。……いや、聴かん方がいいわ。これは元気なときに聴いてください。

……ちなみに何か、サンリオのイノセントなやつのタイアップ曲らしい。ものすごい激重設定が込められている可能性が高い。あーちょっと、もう、なんかイヤな予感するんで、次の曲に行きますね。

 

 

さて。ちょっとこのへんで、検索方法を変えることにしました。

週単位の急上昇度合いではなく、年単位でいかに評判を集めたかを見ます。すなわち、文句なしの「大流行」の顔ぶれを見ていくわけですね!

できれば、ブラクラ系やサイケなやつが少ないと嬉しい。そういうのばっかり持て囃されてる社会、ちょっとしんどくないっすかね。

とりあえず、2022年からスタートして、1年ずつ戻っていく形で。

 

 

QUEEN

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アイデンティティ」「酔いどれ知らず」そしてこの「QUEEN」。2022年のボカロランキングを見ると、Kanaria さんの曲群が一角を占めている。オシャンな曲を書くすごい人なのよね。

……ただし、オシャンなぶん、キャッチーさというか、愛唱性みたいなのはあまり重視してないのかも? というのが正直な感想です、私は。

個人的なイメージとして、流行の曲ってのは思わず口ずさんでしまうような分かりやすい曲が多いもんだと思ってるんだけど、最近は違うのかしらね。

 

 

いま、2022年の上位10曲くらいを手当たり次第に聞いているんですが……。なんかめっちゃ、疲れてきましたわ。うーむ。

2022年(およびここ数年)のバズ曲をザッと概観してみますと、どれもこれもMVが似ているんですよね(ビビッドカラーの一枚絵+白抜きの歌詞、みたいな)。何なら曲調も結構近しいものが多数並んでいる。

ああ。普段からボカロを追っている人ならば、各曲の違いを目聡く見つけて、それぞれの良さを語ったりできるんでしょうけどね。すまんけど今の私には、どれがどの曲か分からん、くらいの曖昧な把握しかできない。

まあまあまあまあ、もうちょっと。もうちょっと粘ろうか! できればラグトレインまで行きたい!

 

 

星界ちゃんと可不ちゃんのおつかい合騒曲

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あ~~~~! 嬉し~~~~~! こういうのが嬉しい!! ありがてえ!!

 

 

・フォニイ

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こっからは2021年です。この年のトップは「フォニイ」。

そうそうそう、こういうのをキャッチーっていうんですよね。開幕こそ繊細さだったり大胆さだったりってのを柔軟に開け閉めしているけれど、サビは良い意味で「あるある」な、何回も聴き返したくなる良さがある。

私がフォニイにちゃんと向き合ったのはmaimai あたりの音ゲーが初めてだったんですけど、こいつは抜群に印象的で、アップテンポでイイな~と思いました。

 

 

・ヴァンパイア

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ちょっと本筋から外れる評価点になるんですけど、もしかすると俺、かなり「吸血鬼」が好きかもしれん。ラヴィ。レミリア嬢。ライスちゃん。ヒナ委員長(見た目の雰囲気)。オリキャラ。その他。

 

 

・きゅうくらりん

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問答無用で好きです。以前の日記で取り上げたけれど、初見の印象が「最近の音楽すげ~!!」だったんだよな。かなり衝撃を受けたし、もちろん心臓の深いところに刺さった。好きすぎて、maimai でもきゅうくらりんだけめちゃくちゃスコアが伸びた。

それから、これは広範な好みの話。長調の明るいコードで、MVも元気があって、その上で歌詞(テーマ)には葛藤やつらさがある……! みたいな曲が俺は好きらしい。笑顔でうるんじゃう感じ。応援させてください。

 

 

・グッバイ宣言

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2020年を見るぞい! まずは「グッバイ宣言」。

明るくも哀愁ある感じがいいな~。ついさっき同じこと書いたな。

そろそろ語彙がなくなってきたので、カラオケで歌ったら楽しかろうな、ということだけ言っておきます。

モノゴトを褒める語彙が少ない、しょぼい生き物がワイです。

 

 

テレキャスタービーボーイ

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かわいい! かわいくてかつ脱力感もあるMVが楽しい。いろいろ込みで、すりぃさんの曲はかなり好きだな。追おうかな。

 

 

・ラグトレイン

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耳がマヒして来たので、締めに入ります。こちら「ラグトレイン」は、2020年のボカロ曲の中でもかなり上位の人気を博した曲みたいです。今になってやっと、初めてちゃんと聞くことができたわ。

まずね、とーっても好きよ。といっても、その「好き」の在処はこれまで並べた曲とは異なる。新体験の楽しさに引き込まれたわけでもなければ、王道の安心感があるわけでもない。自分の好みの要素が組み合わさって、コンビネーションで評価を上げてる。そんな感じがするのよね。

派手さ一辺倒でぶち込んで来るのではなく、音の重ねで「エモ」を出してくる感じ。夕方~夜くらいを連想させる黄昏の空気感。シンプルに、駅と列車というテーマへの好感。なんというか、テンションが高くない日の、一人孤独に歩く深夜の散歩の、車のない大通りを歩きながら暗い夜空を見上げたときの、耳に流れていて欲しい曲だなって。

 

ただですね、同時にこうも思ったわけです。「どうして年間トップを争うレベルの人気を獲得したのだろう?」と。ヴィヴィッドな感情とか、初見で覚えてしまうようなメロディとか、そういう「デカい層に刺さりそう」な要素を持つ曲ではないような……。

ひとつの見解として友人が言っていたのは、ニコ動の職人によるMV芸でバズったのが大きかったのではないかということです。つまり、まずバズが優位にあって、その後で多くの人が(私と同じように)こいつぁツウな曲だ。俺には良さが分かるぜ。となった説。

もしくは、単に私の感覚が間違っていて、2020年の日本人の若者1000万人がこぞってこのテの曲ばかり好んでいた可能性もありますね。……そんなことがあるとしたらすごいと思うわ。黄昏に染まった中高生、逆に好きだわ。俺も似たようなもんか。

 

 

はーーーーーーーーーーーーーーい!! もう日本語考えるのダルくなったので、以上!!

テレキャスタービーボーイとか、そこへんの明るい曲を中心に、ときにはヴァンピィな曲も交えながら聞きこんで、カラオケとかで歌えるようにしていきたいね~。

あと、最新の流行に乗ることを恐れてはいけないな。思い返せば、ウマ娘だってブルアカだって、流行りに乗ったからこそ素晴らしいものに出会うことができたんだから。音楽もきっと、追いかけることで良いことがあるはずだよね! その上で「ちょっと違うな」と思ったら辞めればいいだけのこと。

 

 

ちなみに今後の展望として、アニメ・映画の人気曲、それから「Pretender」や「白日」のようなバンドソングも一度総ざらいしておかなきゃな、という思いがある。「可愛くてごめん」とやらもちゃんと履修したい。

でもね、今日は情報過多で視力が10%くらいになってきたので、また今度ね。