831日目 みにゃみにゃ

 

最終的にコトの成否を決めるのは、行動力だ。「好きなことならいくらでもやる」力じゃない。「嫌いなことでも脳死で笑顔でガチる」力だ。それができるやつらは就活も強い。そして、俺はそいつらを軽蔑しない。何故なら「すごい」のだから。俺にはない根性をあいつらは持っている。

……軽蔑はしないが、キモいとは思う。キラキラ系の企業のイベントに紛れ込んでしまったとき、右を向いても左を向いてもギラギラ、就活慣れした学生たちが作り物の笑顔でぐいぐいと前へ前へ進もうとする、あの空間のキモさ。無論、誰も悪くない。学生は必死だ。企業も真剣だ。全員が自分にとって最も誠実な行動を選んだ結果が、あの異様な緊張と緩和だ。だが、キモいものはキモい。気分が乗らない俺は、一層モヤモヤとしてくる。「人狼だらけのこんな催しに何の意味があるのか」と思う。思うがしかし、俺にできることは二つしかない。村人のまま食われるか、それが嫌なら自らも人狼になるか、だ。

……などと大いに倦みながら、なんとか自分なりに、もう少しだけしがみついていったとして。「キモいと思いながらも粘ったのは正解だった」と自分を称えるのか、あるいは「やっぱりあんなことやらなくたっていい」と喧伝するようになるのか。それが分かるのは、少なくとも半年先になるだろう。