771日目 川が、風が、流れて行くこと

 

多摩川のほとりに来た。既に日は落ちかけて、夕暮れ時。体を動かすには悪くない、ちょうど許せるくらいの暑さが、長かった夏の終わりを予感させた。

 

丸子橋の美しいアーチ。夕と夜をないまぜにする空のグラデーションが、まるで幾年振りかの再会を思わせて、胸中の柔らかい部分を衝く。

 

白球を投げ、投げ返されるボールの軌道も分からないほど、やがて辺りは暗くなった。

走ること。腕を振るうこと。声を出すこと。川が、風が、流れて行くこと。