447日目 クローズドの名残

 

ネット民しか、オタクしか使わない言葉ってのがある。

「推し」とか「〇〇説」とか「〇〇過激派」とか。

 

だから俺、知ってるんだ。

あの先輩も、この先輩も実はオタクだって。ツイッタラーだって。

 

でも、俺はオタクトークを始めない。

彼も彼女も、決して自分の推しをひけらかさず、ただただ平穏な世間話に努める。

 

何故なら、オタクは誰しも、自分のコンテンツが迫害対象である可能性を恐れているから。

それが我々の世代、サブカルがまだぎりぎりクローズドなものだった時代の、名残。