お菓子言葉なんてものを当たり前のように使うんじゃないよ。スマホで調べないと分からないような「本当の意味」とやらを、わざわざ込めるような意地悪に見えるかい？ 彼が。
花言葉だってそうさ。そりゃ、由緒ある素敵な文化なんだし、創作した本人が語る分には構わないよ。でもね、彼の詩にあるチューリップは、ただそこに美しく咲いていたから持ち出したに過ぎないんだ。それを「望みのない愛が隠されている……」だなんて、全く失礼な深読みをするもんだ。
色言葉、石言葉、カクテル言葉……。言葉の魔力を信じることは、さぞかしロマンチックだろう。だが、どんなモチーフにも「裏の意味」が隠されていて当然だなんて、思わないことだね。情景とは本来、ただそこに「在る」ものを描いただけの、素直なものであっていいはずなんだ。
くれぐれも、その豊かな拡大妄想は、多様な読みのひとつとして心の中に留めたまえよ。調べないと出てこないような歪んだ言葉遊びを、他人に押し付けるんじゃない。自分だけが知っている風な顔をして、さも優れた考察をしたかのようにふんぞり返っている奴が、俺は嫌いだ。
