窓を開けたら涼しくて、ちょっぴり感じ入ってるきりちにです。寒さってエッチなので。
今夜はなんだかとても、誰かと喋りながら珍しいお酒を飲みたい気分。
さて今日は、サイバーパンクバーテンダーアクション「VA-11 Hall-A」のご紹介をします。ヴァルハラ、と読みます。
舞台はサイバーパンクの街「グリッチシティ」。技術革新の行きすぎた、退廃的ディストピア。あなたはバーテンダーのジルとなって、酒場にやってくる奇妙な客たちにカクテルを振舞います。
お客さんは属性も生業も嗜好も人それぞれ。高圧的な社長のジジイに、巨乳ハッカーのお姉さん、セックスワーカーのアンドロイドまで。掃き溜めのようなバーに集まる人々とのトークは、いつだって面白い。気持ちよく喋ってもらえるように客の好みのお酒をチョイスするのも、あなたの役目です。
オタクの夢みたいな世界観と見せかけて、実はシビアで結構リアル。例えば主人公のジルは、低身長で貧乳で目つきが悪いバイセクシャル。数年前に元カノと別れたけれど、そのことについては語りたがらない……。
他の登場人物たちも、人に話せるものからそうでないものまで、さまざまな悩みやコンプレックスを抱えています。物語が進んで彼らが常連客になってくると、次第に事情を打ち明けてくれたり、逆にジルを思いやってくれたりします。それが魅力的で、心地いいんだよな~。
サイバーパンク特有の設定(奔放な貞操観念とか)を上手く表現に用いた、ある意味で「多様性のお手本」みたいなゲームなんじゃないかな。まあ制作陣はそこまで考えてないと思うけど(ビンビンの下ネタがてんこ盛り)。
……ここらでひとつ、ジルとお客さんがどういう会話をするかという具体例を出そうと思ったんだけど、どういうわけかハッキリと思い出せないんだよね。それはあたかも、飲み会での世間話はあんなに面白いのに、翌日には綺麗さっぱり忘れてしまうかのごとくに。
ただひとつ覚えているのは、このゲームの言葉回しは本当にシャレてて恰好いいということ。お酒の注文ひとつとっても「ビールください」「はい」みたいなシンプルなやり取りではなくて、もっと皮肉の効いた、それでいて優しい掛け合いなんですね。月並みな表現だけれど、ヴァルハラのキャラクターたちはみんな「生きている」かのような、不思議な温もりがある……。
音楽もめっちゃいいよ~。オススメ貼っておくね。
あ、ひとつだけ言っておかなくちゃいけないことがある。このゲームは「サイバーパンクバーテンダーアクション」を標榜してるけど、アクション要素はマジでないです(開発段階でオミットされたらしい)。物語と世界観をじっくり堪能することに特化しているので、ゲーム的な起伏にはあまり期待しない方が吉。カクテル作りも慣れたら作業っぽくなってくるし。
でもまあ、普段アクションを推しがちな私ですらそこそこ気に入ったので、ノベルが好きな人や関係性オタクの人は買って損はしないんじゃないかなと思います。価格もかなり抑えめなので、サイバーパンクの入門書としていかがでしょうか。
なんというか、バー・ムーンウォークを思い出すなあ。ま、あそこはなんとなくオシャレなだけで、実際行ってみると微妙だったんだけどね(期待値が高すぎたのかも)。
(おまけ)
久々にウマ娘もやっとります。これ書き終わった後でまたやるかも?
今日はファル子シナリオを初プレイ。元ネタが最強伝説すぎるのであんまり心の揺さぶりとかは無いんだけど、元気で笑顔でまんまるで楽しかった。
あと、ネタバレ待ったなしなので詳細は伏せるんだけど、土壇場で「サイゲ!! お前やっぱ神だよ!!」ってなるトリックが仕込まれてます。やっぱウマ娘ってすげぇ痺れるゲームだわ。