私がゲームに求めるものは、何よりも新鮮さ。物語の先を追いたいと思わせる訴求力です。
それから、爽快感も大切。スリリングな駆け引きが、体験の喜びを高めます。
新鮮さと爽快感を併せ持つ作品——ドラマティックで骨太な物語と、紫電一閃の心地よい戦闘が楽しめる作品——は、私を虜にして離しません。例えば、ニーアオートマタやペルソナ5、ゴーストオブツシマなど。
逆に言えば、新鮮でもなければ爽快でもない、マンネリ感が漂うやり込みゲーにはあまり魅力を感じません。たまにはストラテジーなんかに手を出してみたりはするけれど、たとえその瞬間は楽しんでいたとしても、生涯忘れないでいたいと思うには至らないのです。
今やあらゆるゲームの標準となった「トロフィー」システムも、私にとっては面倒なばかりの要素です。めくるめく物語に立ち入っていくワクワク感に比べて、トロフィーを埋めるためだけに同じ作業を繰り返す2周目のつまらなさといったら。これまで意識的にトロコンまで頑張ったゲームは、それこそゴーストオブツシマくらいです(チャンバラの楽しさがやり込みの面倒くささを上回ったため)。
まあそういうわけで私は常々、ゲームの収集要素に対して冷めた目線を投げかけているのですが……。
ちょうど先ほど、ドーナドーナをクリアしたところです。ストーリーを最後まで走り切って大満足、余韻を味わいつつも早速次のゲームを探し始める……というのが普段のセオリーなのですが。
ドーナドーナのジャンルは18禁。しかも、一本道ではない「遊べるエロゲ」。ということはつまり、今回のプレイで選ばなかった選択肢の向こう側には、まだ見ぬ入魂のCGが多数眠っているということです。CGは18禁ゲームの命そのものですから、全て収集しないことにはクリアしたことにはならない……というか、もったいない。
攻略サイトを覗いてみると、えっ!? そんな発生条件分かるわけないだろ! な特殊イベントが多数隠されている模様。条件がスペシャルということは、すなわちヒロインたちが置かれる状況もスペシャルということに違いない。
は~~~~~~~~~~~。
これから、2周目のチャートを組もうと思います。「チャート」なんて口に出しただけでも飽き飽きするし、いくらゲーム性が高い作品とはいえ、最初からやり直したいほど面白いわけではない。
それでも、私はコンプリートに向かって地道な努力をしなければなりません。フルプライスを払ったからには、たとえ何十時間かけることになろうとも、わずか数分の新鮮なCGのためにもう一度同じ物語を読みなおさなくてはいけない。
なんというのかな、この、ひとつの欲望を満たすために、もっと大きな別のポリシーを曲げてまで挑もうとすることの悔しさ。
「やり込みなんてキライだ~!」と叫びながら周回に勤しみ、やっとたどり着いた新規イベントがまさかのイラスト流用で落ち込む。せかせかと使命感に駆られてゲームをしている間に、リアルでは期末試験がぐんぐん迫っている。そんな哀れな男の姿を、お楽しみください。