864日目 キンと凍える駅前にて

 

マックが注文過多でパンクしている。極少人数で心底ダルそうにバーガーを包むクルーを、待たされた大量の客が取り囲みながら寒いのを我慢している。

店員を追い立てるような「衆人環視」の輪。つまりは俺もその一部として立っているわけで、なんだか虐めているみたいで申し訳ない。キャパオーバーの接客の辛さはよく分かる。

けれども、俺はこちら側に立たなきゃならない。正当な権利として店員の仕事を待ち続けることが、客としての責務だから。

二、三十分も待って、ようやく番号が呼び出された。せめてものお礼として、よく聞こえるように「ありがとうございます」と声をかけた。すると、カウンターのお姉さんは忙しそうにしながらも、ふっと精一杯の笑顔を作って返してくれた。

救われたのは、俺の方かもしれない。