131日目 熟練の手つきに見惚れて


今日はいつものバイト先ではなく、系列の他店舗に行ってきました。家から片道1時間半。人生初の「出張」です。

(帰りの電車に揺られながらこれを書いています)


そういえばバイトの内容について詳細に書いたことは無かったかも。平たく言えば、ギャンブルのお店です。

いつもの勤務先では、お客さんにゲーム道具をお貸しすることだけが仕事でした。しかし今回の出張先では、店員も客と一緒にゲームに参加しなければなりません。動くお金は全て自己負担です。

つーわけで今日はめちゃくちゃ緊張してて、いつもより力強く昇竜拳をキメていたんですね。


はてさて、行ってみて分かったこと。それはズバリ「熟練の手つきは真似できない」ということです。

私だって最低限のルールは分かっているのですが、如何せんこういう遊戯はルールだけ知っていれば成立するのではない。長くこの世界にいる熟達者たちだけが知る「暗黙の了解」があるようなのです。

お客さんたちが守っている独特のペースを、乱しに乱しまくる新参者の私。慣例が飲み込めないままゲームを回そうとして、何度も迷惑をかけました。店員なのに、この体たらく。冷や汗ダラダラです。

こんなに緊張していたら、当然カンも鈍るわけで。何度か致命的な大ダメージを喰らってしまい、実質時給は500円強になりました(もらえるだけありがたいと思え)。


なんというか、すごく勉強になりました。厳しい世界を教わった気持ちです。レートとしてはかなり低いので、まだまだ優しいもんだろうけど。

また出張したいかと言われたら答えはNO。いつもの仕事の方が圧倒的に退屈だけれど、最低時給が規定通り貰えるというだけでありがたいもんです。

しかし、いつかきっと2回目の出張に駆り出されるときは……そのときは、今日よりもっと胸を張って、一切の損も出すまいと勇気を持って電車に乗り込みたいと思います。

見惚れるような熟練の手つきを、俺は知っているんだ。そう、自分に言い聞かせて。