858日目 もりあがってまいりました

 

あーーーー。ヤバい。

特に何かきわめて重大なチョンボをやらかしたわけではないのに、何だか物凄い嫌なことがあったかのような気分。しかも、自己の内面に向いた虚しさや悲しみではなく、外側の他者へと向いた怒りのエネルギー。こういうメンブレは良くない。直接的な加害者が居るわけでもない、ただちょっと上手くいかなかっただけの事象で、世の中全てを逆恨みするような苛立ち方をするのは後々良くない。誰にもどうしようもないし、俺たった一人で俺自身を刺し続けるような、悪循環に陥る。とにかく俺のためにならないから、ここはひとつ頑張って、メンタルの切り替えを図ろう。全然違うことを考えよう。そうだ、ワクワクすることを考えればいいんだ。

 

コスプレ通販って、見ているだけで楽しいですよね。かわいいかわいい、推しコンテンツの具現化がそこにある。衣装を見るだけでなく、着用例を観て「はわ~~~、かわええ」ってなるのも楽しいし、できればいつか着てみたいって思う。

例えばほら、これ。

ウマ娘 アグネスデジタル 勝負服 コスプレ衣装 - Cosonsen コスオンセン

すごい。すごいよね。我が最推しのデジたんが、実在する衣装としてここにいる。そもそも着用例のレイヤーさんが似合い過ぎていて、その分の加点も大きいのだが、それにしたって衣装単体で見てもめちゃくちゃかわいい。トップス、スカート、上から下までワクワクするパステルカラー。なんか、欲しっ……! と思う。そんであわよくば、俺がデジたんになりたい、とも思う。着れるのか? 着ていいのか? ……まあ、こんな思いっきりロリロリ系で肌露出があるコスプレは、一般浅黒成人男性にはさすがに厳しいので、実現はしないわけなんだけども。何はともあれ、テンションが上がってきます。

タイムラインで推しコンテンツを追っかけていると、急にブルアカのコスプレがスッ…とお出しされることがある。半分は顔出しのレイヤーさんがバッチリ決め決めに仕上げたヤツで、うおっ、実在性〇〇〇だ……! と気分がブチ上がる。もう半分はスマホで顔を隠した宅コスさんのきわどいセクシーなヤツで、即座に「エロッ……!」と声に出してしまう。何にせよ、お気に入りのコンテンツのキャラがコスプレの形を取って現実世界に顕現したとき、俺はウヒョッ……と嬉しくなってしまうし、俺もこれになりたい……! と、密かに憧れてしまうのだ。

それで、だ。今まで俺は「なんぼ憧れたって、実際に着てみたら全然似合わんのやし……恥ずかしくなるだけやで?」という自意識のバリアを張って、突発的にレイヤーごっこを始めたくなる衝動を阻止してきた。けれども、このたび来年1月に初めて即売会に参加(しかもサークル側)する段取りとなり、その熱に浮かされたような勢いで決意してしまった。「コスプレ売り子になろう」と。

参加を申し込んだちょうどそのタイミングではド級の金欠だったので、コスプレ通販で発注することはしなかったが、代わりに市販のもっと安く手に入る衣装をいろいろ仕入れ、それらを組み合わせたり裁縫セットでちくちく縫い合わせたりして、いよいよ衣装を作り上げてしまった。ここまで来たらもう本当にやるしかない。そうと決まれば俄然気合いが入る。カラコンを用意した。小物も少しずつ揃えた。ウィッグを自分でカットした。着々と準備が進んでいく。

ところが、メイク! これが本当に難しい。アイライナーを何本か買ってみて試したのだが、道具があればどうにかなるという次元の技術ではないんですよ、メイクは。前提として、俺はとにかく「頑張りたくない」人間なので、たとえ何か大きな達成感がこの先に待っているとしても、そこまでの道のりがあまりにも長く、楽しいを超えて「努力」だと感じてしまうようなものであれば絶対に手を出さない。こんなナメた根性の人間には、しかし、メイクのような高い壁はあまりにも相性が悪い。なにぶんガサツな九州男児に生まれたもので、これまでもこれからも生活上はメイクをする機会がなく、全くひとつも技術を持っていないし……。とりあえず、顔面の大部分は黒マスクで隠すとして、あとは目だけを何とかしたい。おっきく見せたい……ということでアイラインを引いては消して練習してみたのだが、体感どれくらい上手くいっているのかが分からず、半端なメイクは逆に滑稽さを誘ってしまうのもあって、結局一旦は諦めてしまった。

とりあえず、メイクなしの状態で上から下まで一通り着て、写真を撮ってみたりはした。いろんなアレンジを加えて徹底的に素肌を隠しているので、まあ「うえっ、吐きそっ!」って程ではないのだが、やはりどうしても「しょうもなオスガキのおふざけ感」が出てしまって、お世辞にも可愛いとは言い難い。カバーできないくらい体格がゴツいんだから、高身長のお姉さんキャラにすべきだったか? いやでも、それは単純に俺の好みじゃないからつまんないしなあ。ロングヘアは管理が難しいのでショートのキャラにすべきだったか? これはまあ正しいんだけれど、もうウィッグも衣装も用意しちゃった以上、今回はこれで行かなきゃならない。それにしても、目がちっちゃい……うーん! やっぱりアイメイクをちったあ練習すべきでしょうか? マジで上達の見込みないけど!

とまあ、いろんな悩みや諦めや苦笑が渦巻きはするんだけれど、総じてやっぱりコスプレはワクワクするね! 「とりあえず一回爆死してみよう」という気になれるのは、やっぱりどこか憧れを捨てられないくらいにはコスプレという遊びに興味があるからに違いない。さっきちゃっかり「次はショートの子にする」って言っちゃってるし。

これはコスプレに限らず、普段の服選びだって一緒なんだけど、己を着飾るということは謂われようもなく楽しいし、そのチョイスとチャレンジによって明日の自分はもうちょっとかわいく(かっこよく)なれるかも! と夢を見る時間はたまらなく嬉しいんだよね。だからやめられないよ、いつもの自分とは全然違う、別世界の衣装通販を眺めてニヤニヤする遊びは。