839日目 高く舞い上がる愛

 

New スーパーマリオブラザーズ DS」と共に始まった、ゲームと共にある私の人生。

マリオカートDSパワポケ12も、飽きもせず繰り返しプレイしました。スーパーマリオ64DSだって、全クリ後にもかかわらずいつまでだって遊んだ。3DSを手に入れてからは、世界樹の迷宮シリーズに何百時間という夜を捧げて、冷たい冬を生きる喜びとしました。それから、数は少ないですが、スマホゲーにもたびたびハマって来た。Deemo、Arcaea、ウマ娘

大学に入学してデスクトップを組んだ今では、最もたくさんのタイトルを所有しているのはSteamです。街づくりシムに没頭した日は数知れず。ペルソナ4Gやサイバーパンク2077も文句なしの名作だったし、BATTLEFIELD1は気がつけば100時間近くやっていた。思い起こせばいくらでも、良作ゲームの記憶がよみがえってくる。

けれども、どうしてだろう。「本当に心の底から大好き」。そんな言葉が口をつくゲームを思い浮かべてみると、現れるのはどれもこれも、ある特定の時期に遊んだ、PS4のタイトルなのです。NieR: Automata、ペルソナ5R、Ghost of Tsushima。押しも押されもせぬ、私にとって宝物の御三家。

遊んだ時の心の持ちよう、というのはあるでしょうね。私がPS4で遊んでいた時期というのは、学部の2~3年生の頃。当時はインドアのご時世で、なおかつ私自身が内気であったことから、毎日がほとんど引きこもりのような生活でした。誰かと会ったりどこかに行ったりする予定なんか無くて、手帳もカレンダーアプリも要らないほどだった。向こう一ヶ月がスカスカで、ただゲームだけが私を呼んでいた。だから、私は私自身の全霊を以て、ゲームに向き合うことができた。決して幸せなばかりではない陰鬱な毎日だったけれど、少なくともあんなに集中して何日も何十時間もゲームに没頭できた時期は、後にも先にもないのです。

それから、PS4はSteamと違って、ゲーム専用のマシンであるという側面が大きいかもしれない。PS4を起動するという行為は、パソコン作業のついでではあり得ない。「俺は今からどっぷりゲームに浸かるぞ」と、そんな希望を抱きながら電源を入れ、じっくりとチェアに凭れ、PlayStationのロゴが浮かび上がるのをワクワクしながら待つ。そんな特別感が、俺を夢中にさせた。今でも、Steamで気楽に60FPSのゲームを遊んでいるとき、ふと「あの重厚感ある30FPSの方がリッチでテンション上がったな」なんてことを思ったりする。

「年齢が上がるにつれてゲームがつまらなくなる」というのは、今のところ必ずしも正しくありません。心の余裕が無くなるにつれてゲームにうつつを抜かしていられなくなるのは事実だけれど、本当にウマが合うゲームに出会えば、それまで「ゲームはもういいや」と思っていたのが嘘のように、驚くほどドハマりするんだから。忙しいから向き合いづらいだけであって、自分の感性が死んでしまったわけではない。

けれども、その「余裕」——心の身軽さが、これ以上ないほど風を受けて高く舞い上がってくれる時期というのは、一生の中でそれほど長くはないのかもしれませんね。おそらくはもう私にとって、あの学部2年の夏ほどに愛と興奮を以て大作ゲームを迎えられる、そんな季節は二度と訪れないでしょう。だからきっと、私はこれから長いこと、ニーア・ペルソナ・ツシマのかけがえのない思い出を、いつまでもいつまでも夢見ながら生きていくことになるのでしょうね。