デスクマットに仰向けで気絶していました。午前十時過ぎでした。曖昧な意思に引っ張られて、私は起き上がります。
ふらふらとシャワールームに立って、べたべたの体を洗います。うつらうつらとしながら、体の記憶に任せて泡を流しました。
戻ってきた私は、倒れ込むようにベッドに横になりました。枕を抱きしめると、赤い端切れと白の布切れが、まぶたの裏でパチパチと爆ぜます。眠気とも疲れとも違う、見知ったことのない何かが、私の思考を奪いました。
壊れかけの機械が見る世界。
「器用だが不器用」と言われて、すとんと腑に落ちました。自分なりの認識で言えば「明るいが暗い」といったところでしょうか。
覆い隠せないものを抱えながら、表向きは陽気に奇声を上げている。感情をそのまま露わにする勇気を持たない人間の、滑稽な性です。
四半日前にはボケを絡めながら人を慰めていたはずが、昼前のベッドでひとり絶望しているのは、どうして。
ピリピリと電流が流れるような意味不明な快感のもとに、私は一瞬で意識を手放しました。
夕方に目覚めてからも、今に至るまで、今日は傾いでいます。
スマホを開いても通知は無し。暗い宴は何夜も続かないようです。