380日目 欠陥


車窓の外の景色を眺めながら頭の中で何度も下書きして、けれど目にまつ毛が入って、涙で全てぐちゃぐちゃになって、しばしの間まどろんで、そうして私は旅情をこねくり回すのをやめました。

これといって努力したわけでもなく、しかし心は本当に苦しかった、そんな数十日間が、あと何晩かのうちに終わろうとしています。もう、刃を付け焼く間すらありません。

結果がどう転ぼうが、答えは変わらない。「自分に勝てなかった」ということ、そして「何はともあれもう過ぎ去ったのだ」ということです。

人は変われない、いや、変わらない。自分という人間の欠陥を認め、しかしその欠陥のせいで人生が閉ざされはしないことを祈りながら、残りの日々で出来るだけのことをします。

じき、目的地に着きます。車内では小さな子どもが泣き喚き、大人たちに可愛がられています。私は一人で荷物をまとめて、席を立ちます。