たまには外出しようというわけでな。
まずは市内で一番デカいドン・キホーテを目指します。
地下鉄の駅を出ると、マジでひとつも知らない街並み。さながらオープンワールドゲーの主人公のような気持ちで、こまめにマップを参照しながら通りを歩きます。歩くことわずか1分、クソ目立つペンギンの像が見えてきました。
麻雀牌のバラ売りを目当てに来たのですが、そんな売り場はありませんでした。当たり前だ!!
……しっかし、売り場の端から端まで見ていこうと思ったら、アホみたいに長い時間が必要ですね。さすが激安の殿堂といったところか。あ~これ欲しいな、いや~やめとこっかな、とか言いながら一人でうろうろします。
歩き回ること2時間、一通り商品を見終わったのでレジにてお買い上げ。ここで戦利品をご紹介しておきましょう。
ほんじゃまか、ゲーセンにでも行きましょうかね。もうすっかり暗くなっちゃったし、近場のホーム台で済ませちゃおう(事務作業?)。
衣類や電子機器を買うときはめちゃくちゃケチるクセに、音ゲーにはぼこんぼこんとコインを投入しちゃうんだよな~。1回分が安いから脳がバグるんだろうな。
いつもならリクエストを募集したりして、なんだかんだと理由をつけて十数クレを投入するとこなんだけれど……。今日はあんまり覇気がない。というか、ここ1年くらいマトモに音ゲー界隈を追っていないので、触ってみたい曲とか特にないんですよね。撤収!!
駅構内に消えていく人々を横目に、夜空に煌々と浮かぶ看板を見つめます。喰っちまうか……寿司をよ。
日曜の夜に一人で寿司を食いに来る人間なんかいません。待合室は家族連れとカップルでぎゅうぎゅうです。多少の疎外感を感じつつ、一番奥の席へ一目散に歩いて行き、ドカッと腰を掛けます。そこはかとなく遠巻きにされているのがひしひしと伝わって来て、ビミョ~な居心地。
クソデカ店内放送で呼ばれ、ようやく腹を満たせるぞとルンルン歩いていったら、まさかのテーブル席(しかも通路側の一番目立つところ)。しかし尻込みしている暇はありません。ぜんぶ平らげて優勝するんだ俺は。
「ご注文の品がまもなく到着いたします」
さあいよいよだ、ぷるぷるのサーモンがやって来るぞ……! と、なんとなくそわそわしながら待機。
いよいよ流れてきました、特殊レーンを流れてきました俺の寿司が。しょぼくれたサーモンは私の手元をすり抜け、反対側の席のほうでピタリと止まりました。いやそんな端っこまで行くんか~い!!(ズッコケ)
音ゲーをするときは金銭感覚がおかしくなると書きましたが、寿司はゲームよりさらに金遣いを粗くしますね。これっぽっちのちんまい寿司1皿に100円も払っちゃって。そのくせたくさん平らげちゃって、いざ会計してみたら一人2000円超えなんてのもザラです。
たまにはこういう出費もアリかなあなんて無理に納得してみたりするけれど、今日はどうにも気分がアガらない。きっと、明確な目標を持たずに家を出てきたからでしょうね。不要不急ではない買い物をして、特にやりたい曲もないのに連コして、大したことのない寿司に高い金を払って。
地上へ出るともう22時過ぎ。師走も下旬、大路には冷たい風が吹き荒れています。
寒いからでしょうか、一人だからでしょうか。どうにも重たくなった頭を無理に起こして、私は帰路へつくのでした。