724日目 さらっとしぼったオレンジ

 

ついさっき書こうと思った何かを話の流れでさらりと忘れてしまったし、地元でよく見たあの懐かしい缶ジュースの味は覚えていない。

ただ、さらっと記憶の果てに消えていく、その爽やかさになんだか心が軽くなったんだ。

どこぞに消えたぼくの味覚を探しにも行かず、来た道をまっすぐ歩いて俺は家に帰る。

薄く透き通るオレンジ。