627日目 TURN END/追記

 

眉間の皺も三度まで。

 

 

(追記)

 

だんだんと恨めしい気持ちになって来たな。

なあ、修士課程ってカスじゃないか?

 

学生の努力に限度はない。一日8時間なんて寛大な縛りは無くて、夜中だって朝だって、課題や研究の続きがチラついている。

そのくせ、頑張ったからといって時給報酬はない。どころか、逆に授業料を収めている。

みずから金を払って、みずから苦しむ。ロクなケアや励ましもなく。

 

バイト先に行くと、デスクに座っているだけでも生活費の足しがもらえる。成果に期待して報酬をもらえるということが嬉しい。恩義に報いる気持ちで、作業に気合いが入る。

そこからラボに戻ると、誰が見守るでもない、楽しくもないタスクの山を思い出すことになる。怒られるための資料を作って、夜中に帰る。

研究室配属以降の大学生活とは、そういうものだ。

 

なに、他人に文句は言わないさ。辞めるつもりもない。

俺は「進学」という自分の選択の責任を負い、就活を後回しにしたツケを払うつもりで、残り2年間のアカデミアを全うする。いや、生き延びてみせる。

 

……だが、それとこれとは別の問題だ。

俺の愚痴の矛先がつまるところ俺でしかないのと同時に、大学院の過程がクソなのもまた事実。

あまりアカデミアのことを悪く言うと、研究を愛する者たちから反論があるかもしれない。だが、彼らだって遠い未来、実績のある研究者となったときに今のことを振り返ったら、こう言うに決まっている。「ああ、あの下積みの学生時代は苦しい毎日だった」と。

 

希死念慮なんかねえよ。死ぬなんて選択肢はない、どんな状況の最中にあっても生き永らえて苦しみ抜け、と無情な指示が下ってんだ。死を思わない性格に生まれた人間には、そういう人間なりの苦しみがある。

クソが。

 

……でも、やってみるよ。

いつか褒められるために、今やってみるんだ。あるいは、居場所を得るためでもいい。

「そんなに頑張ってないだろ」だなんて言わないで欲しい。それは俺自身が一番分かってる。周りに比べて努力が足りないよ、俺は。

でもさ。「理系の大学院生」ってさ、それだけでも結構頑張ってるんじゃないか? そういうことにしてみよう。

なんて思ったんだよな。今日は。

 

 

明日(木) サテライト講義と課題、小ゼミの準備を叩き潰す

明後日(金) 研究のアイデアの整理、参考論文の選定

翌日(土) プレゼンの方向性を決める

翌日(日) 論文を読む