510日目 何ら特別なことはないのに

 

いつも通りにつまらない、ゲームづくしの平凡で平穏な休日を過ごすうちに、日はとっくに暮れていた。コンビニにでも行こうかと、夜中にふんわり外へ出た。

冬の夜空は当たり前のように冷たく澄んでいる。けれども今夜はどことなく、空気が香る。来る新年に向けて、何やら瑞々しい思いを体が感じ取ろうとしているらしかった。

大自然を巡りゆく時間は連続的なもので、そこに大晦日という区切りもなければ、新年なんて括りもない。なのにどうして私は、ただ日付を知っているというだけで、ありもしない特異なエネルギーを感じ取ろうとしているのだろうか。

孤独をこじらせていっそニヒルでありたいと願うのに、どこにも行かず帰らず一人で過ごすだけなのに、明日明後日は特別だから……と身構えている自分が、なんとなく悔しい。けれど、大した感情でもなかったから、帰り道の際にぽいっと捨てた。