95日目 色とりどりの花火が上がる

 

うたた寝

 

体操服を着たたくさんのウマ娘が、一心不乱に踊っているシーン。自分もまた、そこに溶け込む一人です。

花火が上がっていたから、夏合宿の夜だったのかしら。フィナーレのような盛り上がりに包まれていたので、卒業前夜だったのかもしれません。

大好きなトレーナーさんや、これまで支えてくれた人々へ感謝を伝えるために、ダンスの練習をしているところです。上手な者がつきっきりで教えて、下手な者も声を張り上げて、最後のショーを成功させようと必死に練習しているのでした。

青春のラストを飾るワンシーン。色とりどりの花火が上がる……。

 

ここまで書く頃には、どんな夢だったかほとんど忘れてしまいました。でも、この話の本質のようなものはしっかりキャッチできた気がします。

かつて私が経験した、体育祭や文化祭の練習風景、あるいは修学旅行や卒業式といった節目。青春のエネルギーに欠けていた私はいつも波に乗れないところがあって、そういったイベントを全力で謳歌したとはいえなかった。

大学生になった今、もはや過去へと遡って青春をやり直すことはできない。ウマ娘という設定を借りて、ありもしない思い出を必死で追いかけたのが、この夢なのではないでしょうか。

 

思えば私は、現実で激情を曝け出せない性格であるぶん、夢の中で思いを必死に吐き出してばかりです。

コロナのご時世で長らく実家に帰れていなかったある朝、目覚めると共にボロボロ涙が溢れ出したことがあって、嗚咽しながら「自分は寂しかったんだ」と納得したのを覚えています。

さらに昔の高校時代。こんな私でも当時、部活動だけは本気めに取り組んでいたんですけれども。最後の大会が終わった翌朝、これで私の唯一ともいえる「少年期の大切な何か」は終わってしまったんだと夢で自覚して、覚めると同時に涙が堪えきれなくなりました。

映画を見たって泣かないくせに。ハルウララのシナリオでもうるうるくらいで収まるくせに。眠りをやめる瞬間の、まだ心の準備が整っていないときを狙って、心の奥に溜め込んだ悲しみが一気にせり上がってくるのです。なんてカッコ悪いんだろう。

 

すみません、寝起きなもので。ひときわ文章に自信がなく。

こういう気持ちは、気づいたときに書いておこうと思いまして。