こんばんは。きりちにです。ここのところ都市開発シム「Cities:Skylines」に凝っています。
タイトルに「つらい」と入れたのでアレですけど、一応言っておきますと普通にめっちゃ面白いですよ。
道路を敷いてインフラを整備して、都市を拡大しつつ公共サービスにも力を入れていく……。システムにこだわるもよし、美観にこだわるもよし。都市の収支をプラスに保つ、戦略ゲーとしての側面もありますから、ハラハラ感も楽しめます。
これまでプレイしたシムの中ではぶっちぎりでトップのハマり具合です。
しかし、いざ日記で取り扱おうとすると、どうしても「つらい」部分ばかりをあげつらいたくなるんだよな。
「都市」や「交通」というテーマは、数ある理系学問の中で唯一といっていいお気に入りの分野なんです。そんな私に向かってシティーズは、もどかしい現実をビシッと突きつけて来やがるんですね。
・金が無ければ人は増えない
このゲームでは都市の居住者が増えると彼らから税金を徴収することができます。その金を元手にインフラを整備しつつ、新たな居住区画を設置していくというわけ。
でもねえ。こんなに見事な開発サイクルは、市長が税率を自由に変更出来て、なおかつ市民も結構ガマンしてくれるからこそ可能なんですよ。
日本各地の地方都市を見てください。どこも赤字だらけじゃないですか。「経済はオワってるけど、飯は美味いよ! 移住してね~👋😄」なんて言ってみたところで、もろもろの不便を考えれば人口が流入してこないのは明らかなんです。
友人の一人はシステム効率の考えから「都市一極集中こそ至高!」なんて言っています。頼まれなくてもみんな東京に集まってきますね、きっと。かくいう私も東京大好きだし。
・人が増えると問題も増える
さて、苦心して人口を増やしました。するとどうなるか。知らんのか? 問題も増える。
小さな田舎町だったころは、せいぜいしょぼいクリニックを建てて、派出所と消防署と墓地とゴミ捨て場、それから小学校があれば安泰でした(あれ? この時点でも結構多くない?)。
しかし、町の暮らしが充実してくると、やがて住民は「もっと雇用を!」「立派な設備を!」と喚き始めます。それなら仕方がない、と都市を拡張していくと、今度は広域的なインフラの網をかけるのがかなりしんどくなってきます。
「予算カツカツだからしばらく救急車の台数減らすね! ごめんね🙏」なんていって許されると思いますか? でもそうするしかありません。下手に市民を手厚くもてなしたら最後、収支がマイナスに転じて大病院を建てることができなくなってしまいます。税収が安定しない中小都市のうちは、常に市民の顔色をうかがいながら公共サービスの質を抑えめにしておくしかないのです。
そんでまあ、もう予想がついているかもしれませんけど、リアルの中小都市だったらどうなるか? という話ですね。うちの出身県の山間部には、産婦人科が一件も無いと聞きました。こんなに悲惨な地域に、子育て世帯が移住してくれると思いますか?
・電車になんか誰も乗らない
それでもなんとか踏ん張って、いよいよ主要都市を名乗れるくらいの大きな街になりました。ここらで私の「自動車アンチの血」が疼くのも抑えられなくなってきましたよ。ドカンと大金叩いて、鉄道駅を建ててやりました!(cv. 東北きりたん)
……まあ分かってたけど、だ~れも電車なんか乗りません。「今まで自家用車で全て事足りてきたのに、どうして今さら駅まで歩かなきゃならないんだい?」ってな感じです。リアルの田舎町も大体同じ状況ですね。私としてはエコロジーやら物流やらを総合的に勘案すると「車社会なんてクソ!」という結論に達しているのですが、まあ車社会の街にゼロから公共交通を引こうなんてのは無茶な話ですよね。
どうしても公共交通の利用者を増やして黒字にしたければ、車が不便に思えるほどたくさんの路線を整備するか、他都市から客を引っ張ってこれるように観光地を充実させるかしなければなりません。しかし今のところ、少なくとも私のプレイングではそんな予算も時間の余裕もありません。シティーズでダメなら、リアルの都市ではもっと無理でしょう。
今日はちょうど京王線かどこだかで事件も起きましたね。やっぱり公共交通ベースの街づくりなんて人々は望まないかもしれませんね……。
たかがゲーム、されどゲーム。非常にリアルに出来ているぶん、思わされるところも多いシムです。
しばらくは時間を作ってコツコツ遊んでいくつもりですが、そのうちサラッと飽きるだろうという予感がしています。
人間の集合体は面白い……面白いけれど、行く末はあまりにもつらい。